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産前期における労務管理上の注意点

残暑お見舞い申し上げます。

まだ暑い日が続きますが、いかがお過ごしですか。

また、水害発生地域の方には、お見舞い申し上げます。 

 

今回は、女性従業員の産前期における労務管理上の注意点についてお話し致します。

 

1.産前の就業制限

 使用者は、6週間(双子以上の場合は14週間)以内に出産する予定の女性従業員が休業を請求した場合、その者を就業させてはなりません。

 

 この場合の「出産」とは、妊娠4か月(85日)以上の分娩をいい、「生産」だけでなく、「死産」や「流産」も含みます。

 

 また、出産日は産前6週間に含まれ、出産予定日よりも遅れて出産した場合、その期間は産前6週間に加算されます。 

 

 産前休業については、妊娠中の女性従業員の請求が条件となっていますが、この点が、次回お話しする産後休業と大きく異なりますので、ご注意ください。

 

2.軽易業務への転換

 使用者は、妊娠中の女性従業員が請求した場合、他の軽易な業務に転換させなければなりません。

 

 対象となる女性従業員は「妊娠中」であって、産前6週間(または14週間)に限られません。

 

 但し、新たに軽易な業務を創設してまで転換する必要はないとされています。

 

3.妊産婦の就業制限

 「妊産婦」とは、 妊娠中または産後1年を経過しない女性従業員のことで、下記のような就業制限があります。

  • 使用者は、妊産婦が請求した場合は、その職場において変形労働時間制(フレックスタイム制を除く)を採用していたとしても、1日8時間、1週40時間を超える時間外労働をさせてはなりません。
  • 使用者は、妊産婦が請求した場合は、その職場の労使間において、いわゆる「36協定」を締結していたとしても、時間外労働をさせてはならず、また、休日に労働をさせてもなりません。

 なお、上記2規定は、法令上はいわゆる「管理監督者」である女性従業員には適用されないとされていますが、母体保護の観点から、就業規則等で「管理監督者」を含む女性従業員に適用させることが望ましいと考えます。

  • 使用者は、妊産婦が請求した場合、深夜業をさせてはなりません。

 本規定は、「管理監督者」である女性従業員にも適用されます。なお、「深夜業」とは、午後10時から午前5時までの就業をいいます。

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